自動給水装置(2)汲み上げタイプ

フロートスイッチで水位を感知してポンプ等を駆動します。
簡単なトランジスタ回路が肝です。


■用意するもの
 フロートスイッチ…1
 ポンプ(詳細後述)…1
 ポリタンク(大容量)…1
 電子部品…後述
 エアチューブ…適宜


■仕組み
水位の感知にはフロートスイッチを使います。このタイプのフロートスイッチは磁石の力で内部の接点が 付いたり離れたりすることによってON/OFFを制御するものですが、構造上接点容量が大きくない のが一般的です。(私が調べたものでAC100V/100mA)

たまにAC100Vの機器を直接繋いでいるのを見かけますが、 水の中に入れるものですのでちょっと怖い気がします。水槽に手を入れたら感電なんて嫌すぎます。 そこで、簡単なトランジスタ回路で一工夫したあとAC100V機器はリレーを介して制御します。

基本的な装置が出来上がれば、ポンプなど汲み上げに使う機器はいろいろなものが使えるようになります。


■製作
1.ポリタンクの加工
ポリタンクの蓋は、自動給水装置(1)の製作に同様です。写真は私が使用中のもので 片方しかプラジョイントが付いていませんが、両方つけておいたほうが色々と 接続機器を選ぶことができて、後々便利だと思います。

容量に制限はありませんが、 この装置では強制的に水を止める工夫はしていませんので、万が一スイッチが故障 してONのままになったりすると、延々と給水を続けることになります。 水は溢れるし比重は下がるしで良いことは有りません。

私は補充水が全部入っても 水が溢れないように10リットルタンクを使っています。冬場でも満タンで4〜5日 は持ちます。


2.制御装置の製作
装置を使う意味は2つあります。1つは先に書いたスイッチの接点容量の点。もう一つは スイッチが入る境目で細かなON/OFFを繰り返して、ポンプなどにダメージを与える ことの防止です。

この回路ではリレーをONにするためには、スイッチをONにし続けること、 一度ONになったら、スイッチが切れても一定時間はONを維持することを目的にしています。

←クリックで拡大) 回路はトランジスタとコンデンサの基本的な回路だと思います。スイッチがONになるとコンデンサに 電荷が溜まっていきトランジスタの動作電圧になるとリレーをONにします。スイッチがOFFに なるとコンデンサに溜まった電荷が減りはじめ、トランジスタがOFFになりリレーもOFFになります。

水面が波打っているような場合は細かく充放電を繰り返しますが、単位時間当たりトータルでON になっている時間がOFFになっている時間よりも長ければ最終的にリレーはONになります。 充電時間はボリュームで調整、動作のモニターのためLEDを付けました。

部品表
トランジスタ2SC1815…1
スイッチングダイオード1S1588…1
電解コンデンサ1000μF 25V…1
セラミックコンデンサ0.001μF…1
抵抗1.2kΩ 1/4W…1
10kΩ 1/4W…3
ボリューム1MΩ…1
LED好みの色・型…1
リレーOMRON G5CE−1…1
延長コードオス−メス 1m…1
ピンジャックオス メス…各1
ACアダプタ用ジャック適合サイズのもの…1
基盤・ケース・ネジなどお好みで…適宜

←クリックで拡大) 部品表は私が使った部品です。電源はACアダプターの12Vが手元にありましたので それを使用しました。リレーは電源にあわせて選んでください。 電解コンデンサの容量やボリュームなどは違ってもかまいません。 適当に調整してください。トランジスタ保護のため一応ダイオードも入れています。

参考までに配線図を描きました。これは裏から見た図になります。リレーや各部品の足に 合わせてお好きなように変更願います。

フロートスイッチはメンテナンスを考えてピンジャックで抜き差し可能にしました。 ポンプ等を繋ぐACプラグは、延長コードを半分に切ってリレーと直列に配線します。

右の写真に写っているセラミックコンデンサ(薄茶色の丸いやつ)は、リレーがOFFになったときにポンプ からの電流のせいか、再度ONになる場合があったので付けました。トランジスタの コレクタ(真ん中の足)と電源の+の間に付けています。抵抗はLEDの横が1.2kΩ あとは10kΩです。

電気の専門の方が見たらどうなんだろうという不安はありますが 一応1年以上無事に動作しています。もし製作・使用される方は自己責任 ということでお願いします。当方いかなる事故が起きても責任は負いかねますので・・・。^^;

装置が完成したらテストです。スイッチをONにし続けると、LEDが徐々に明るくなって リレーがONになります。私はONになるまで8秒くらいに調整しています。

スイッチを OFFにすると10秒くらいでリレーがOFFになると思います。もちろんスイッチが ONの間はリレーもずっとONです。左の完成ケース写真のLEDの横の穴はボリューム 調整用です。ドライバーを突っ込んで調整します。


■ポンプについて
必要な機材が揃ったら、どうやって揚水するかという問題になります。ポンプにはいろいろな 種類がありますが、アクアリウムでおなじみのパワーヘッドや大型の揚水ポンプでは、 1.一度に大量の真水が入ってしまう。 2.タンクの水がなくなって空回りするとポンプを壊してしまう。 などのことから使用することができません。

少ない量の水には、チューブポンプやダイヤフラムポンプが適しています。 私は偶然にもマイクロウォーターポンプ(右写真)を手に入れることができましたので、 現在これを使っています。このポンプはダイヤフラム型です。ただ一般的にこれらの ポンプは値段が高いのがいけません。

実はダイヤフラム型ポンプで身近で安いのは おなじみのエアポンプだったりします。実際市販のエアポンプの空気取り入れ口に チューブを接続して水を通すと、パワフルな揚水ポンプになったりもします。

でも、当然水を通すことを前提にしていませんので、弁の耐久性や水漏れ対策に 問題が有ると思います。改造して使用するのは止めたほうがいいでしょう。 私はシーリングして使用してやろうと少しいじりましたが、途中で不安になって 止めました。

さて、じゃあ高いポンプを手に入れないと仕方がないじゃないか!という方もいらっしゃる と思います。そこで、第2の揚水方法の登場です。 使用ポンプは、アクアリウムでおなじみのエアポンプです。エアポンプは使うなと前に 書きましたが、いえいえ違います。ここではエアポンプはエアポンプとして使用します。

容器の蓋の加工のところでエアチューブジョイントを2本つけました。1本はタンクの 底へとチューブが続いていると思います。もう1本の空気取り入れ口にエアポンプを 接続します。

スイッチが入るとエアが容器に充填されていきます。しばらくすると 水がちゃんと押し出されて1mくらいなら平気で揚水できます。これの問題点は 1.水が出るまで時間がかかること(とくに補充水が減ってきた場合)2.容器には かなりの圧力がかかるため容器がパンパンになって怖いことです。

容器には内部から 空気圧がかかったり抜けたりを繰り返しますので、経年劣化による容器のひび割れは危惧 されるところです。これに気をつけていれば、電気代も安いですし水が空になっても 動いているのはエアポンプのみですから安全で経済的ではあります。


■設置
一通り機材が揃ったらあとは設置するだけです。水の出口となるエアチューブは容器の蓋の加工 で紹介した針金グルグル巻きにエアチューブを通して水槽の淵に引っ掛けています。

揚水型の場合チューブの先は水面から必ず出しておきましょう。 ダイヤフラムポンプなら大丈夫ですが、エアポンプを使った場合は水面から出していないと ポンプ停止後水槽の水を引き込んでしまいます。

フロートスイッチは各自の環境に合わせて、ホルダーを自作します。アクリル板を 加工するのが手軽で良いでしょう。 別室のアクリル加工室で例を紹介します。

自動給水装置(1)自動給水装置(3)エアリフト排水装置
40cm水槽オーバーフロー加工・立上げアクリル加工室