小さな水槽で維持メンテが楽。大型水槽では難しい細かな観察もできます。
加工・設置からナチュラルシステムでの立ち上げまでの紹介です。
工作が終わったら、生体収容へ向けて立上げを開始します。水槽を立ち上げる前に、自分はどういう生体を どういうスタイルで飼育したいのかということをしっかりと把握しておきましょう。それによって 向き不向きの飼育システムがあります。今回はカクレクマノミとイソギンチャクが飼育できる水槽&穴掘り系の小型魚たちが観察できる水槽で、 あまり泳ぎ回らない連中を入れるつもりです。飼育スタイルは、ほったらかしでも極力清浄な水質が 保たれる(一部ソフトコーラル飼育可能、ミドリイシ不可)飼育スタイルということで、 濾材を使わないナチュラルシステムで立ち上げることにし、必要以上に経費が かからないシステムを目指します。
システム組みの考え方は人それぞれで飼育スタイルにもよりますので、これが正解というのはありません。 (大局では理解しておく必要があり、皆さん「清浄な水質で生物を飼う」という方向性は一致していますが) 相手が生き物で順応性があるというのが曲者で、「それでもOK」「これでも大丈夫」ということが多いです。
ここでは、私個人の経験を踏まえた私の考え方の紹介という位置づけで、 これから始める方にも参考になるように書いていこうと思いますが、硝化・還元の仕組み、流れなどは、 諸兄姉方のサイトで詳しく紹介されおりここでは触れませんので、 飼育の前に予め理解されておくことをお勧めします。
RO+DI浄水器海水魚飼育を始めた方が必ずといっていいほど困らされるのが立上げ10日前後くらいからの苔です。
海水中のケイ酸やリン酸など苔の発生原因となる物質を消費しつくすと、この時期の苔はある程度 落ち着いてくるのですが、水換えや蒸発分の足し水に水道水を使うと発生原因を延々と補充することになり、 ずっと苔に悩まされることになります。
RO(逆浸透膜フィルター)だけでは硝酸・ケイ酸の除去など不十分なので DI(イオン交換樹脂)も付けましょう。
プロテインスキマー硝化・還元は後述のライブロック&底砂で行いますが、濾過の負荷軽減としてスキマーをつけます。
スキマーは塩ダレなくエアレーションできる装置としても意味があります。ここでは特に高性能で 値段が高いものは必要ありません。 ウッドストーンを使用するような小型のもので十分です。
私は使っていないプリズムがありましたので これを使用しています。
照明照明は蛍光灯を使用します。私は60cm用の直管20W×2の上部ライトが余っていましたので、 これを使用し、現在ブルー系を1本のみ点灯しています。
40cm水槽からはみ出してしまいますが、隣に小さな水槽を連結する予定なので 2本の水槽を一度に照らすことになります。水槽に合わせて購入すると良いでしょう。
イソギンチャクには補助照明として、テトラの 水槽淵にとりつける13Wの小さな蛍光灯を点けています。水深も浅いことで 底砂には多少光の揺らめきができているほどで、イソギンチャクはこれだけで事足りているようです。
しかし、ミドリイシや強烈な光を必要とする生体は当然飼うのには無理がありますので、 そういう生体を飼いたい方は別のシステムを組む必要があります。
パワーヘッド水槽内に水流をつけるために1台〜2台パワーヘッドをつけます。小型水槽ですのであまりパワーが 強すぎると水槽が洗濯機のようになるので、小さなものが良いです。
サンプからの戻りで一本の一定方向の水流は ありますが、常に一定方向の水流で長くまわしていると、特定場所に淀みができ局所的にリン酸が溶出したりして、 よくない苔などが繁茂する場合があります。
私は、たまたまメイン水槽で水槽専用の間欠式タイマーを 使っていましたのでこれに並列に接続していますが、これは値段が高いので家電用の一日に5〜6回 ON/OFFが設定できるタイマーでもなんとか代用できるでしょう。
要は水流の方向を一日のうちに数回変える ことが大切です。底砂上をうまく水流が流れるように設置します。
ライブロックライブロックは自然の産物だけあって、硝化と還元のバランスが非常にとれたものだと感じます。 しかし自然物だけに、不自然な負荷(過密飼育など)には対応できないのは言うまでもありません。
ライブロックの良し悪しは人それぞれ色々な見解を持っています。「赤い石灰藻がついていないと駄目だ」とか 「珊瑚がついているのが良い」とか「その他付着生物が豊富なものが良い」など考え方は十人十色です。
今回ライブロックに期待しているのは硝化と還元です。 あまりに沢山の付着生物がついているものは、ショップから直接持って帰れれば良いのですが、気候の厳しい 時に通販などで購入し輸送に時間がかかったりすると、付着生物の死亡・腐敗で 大変手間と時間がかかることになるでしょう。
今回は普通にショップで手に入る「並」のもので十分です。 底砂中に住む生物の付着が少ないのは少々痛手ですが、立上げは早く上手くいきます。
入れる量ですが、濾過装置を使わない場合、私は全水量の10%〜15%くらい を目安にしています。 30Lの水槽なら3kg〜4.5kgといったところです。
余談ですが、今回たまたま割れたライブロックの断面を眺めていて、還元を期待するならば 同じ体積だと球状のものよりも板状のものが効率が良いのではないかと思いました。
ライブロックの場合、嫌気的雰囲気になる部分は非常に表面に近いところから始まります ので、塊り状のものだと中心部分の体積分だけロスがあるのかな?ということです。
これが薄い板状だったら、表面と裏面が出来ますので少ない体積でバランスの取れた 硝化と還元ができるのではと思いました。ちょっと気になったことなので記載しておきます。
底砂今回使用した底砂は、普通の珊瑚砂(パウダー、1〜2mm粒、小豆粒)と、貝殻などが混ざった アラゴナイトサンド(大)(小)です。手持ちのものをかき集めたということですが、要は 普通に袋に詰めて売っているもので良いということです。
私は穴掘り系の生体を入れることを 決めていたので、巣穴建設がしやすいように大き目の粒も混ぜました。底砂にも、硝化・還元 の手伝いをしてもらいますので、ある程度の厚さは必要です。 穴を掘られまくると還元域がなどと 言っていられなくなるのですが、多少の手助けになる部分はあるはずです。
粒の大きさは数種類混ぜたほうが良いでしょう。厚さは私の水槽では6cm〜8cmの厚さです。 市販されているライブサンドはどうかというと、採取から発送・到着まで時間がかからないように、 きちんと考えてくれているショップのものなら購入しても良いと思います。ただし乾燥砂に比べると高くつきます。
底砂中に住む小さな生物達は、還元にとても貢献していて大切な存在です。 水槽を立ち上げてしばらくすると、底砂部分のガラス面に小さなゴカイ類が掘った小さなトンネル が見られるようになると思います。
最近はベントス生物やプランクトンパックなども手に入るようですので、水槽を立ち上げて 底砂中に小さなゴカイなどが見られないようなら、様子を見てこれらを購入することも できますし、付着生物の多いライブロックを数個入れなおしたりして、底砂中の生物たちを あとから増やす方法もあります。
人工海水人工海水はいろいろな種類が市販されていますので、最初は好みで選んで良いでしょう。 何種類か試していくうちに自分の好みの人工海水に行き当たると思います。
生体の調子を 見ながら、あるいはテスターでいろいろ測ってみて納得いくものを探すのも一つの楽しみです。
外国と日本では水の硬度が違うので、外国産でRO水を使用することを前提としていない人工海水は 日本の水ではどうなのかな?と思っています。
以前、外国産のものを使っていたとき、 RO/DIで溶いて3日ほどストックして回していたら茶ゴケの発生が著しいものがありました。 人工海水中に苔発生の原因が含まれているとしか思えず、それを機にその人工海水は使用していません。
現在はデルフィスのライブシーソルトを使っています。 RO/DI水で溶いてもCaが必要量計測でき、作り置きに茶ゴケが発生したりしないので気に入っています。
試薬水質を測定するための試薬です。ホビーレベルですので絶対的に正確な数値と言うわけではありませんが、 自分の水槽の水質の動きは判定できます。
亜硝酸テスターと硝酸塩テスターを準備します。 銘柄をこだわる必要は無いと思いますが、試験紙タイプのものではなく試薬を入れてで判定するタイプの 物のほうがわかりやすいです。
立ち上がってしまったら、ほとんど使うことはなくなるのですが、 なにかあった時に水槽で何が起こっているのかを知る手がかりにはなりますので揃えておきましょう。
保温器具水温を年間を通して一定に保つために、ヒーターやクーラーもしくは冷却ファンが必要になります。 夏場はクーラーを設置したほうが、足し水などのわずらわしさが軽減されるので楽です。 必要に応じて準備します。